S(mile)ING!は卯月の歩みの物語。

最終話直前ということもあり、全体的に話を総括する構成となっていましたが、それらを卯月に繋げて展開することにより、アニマスでの千早回と春香回を同時に見ているような印象を受けました。

凛と未央の卯月に対しての思いも強く感じられ、同時にCPのアイドルそれぞれの成長も感じ取れました。

それに対し、何もない元のCPの事務所前に立ち尽くす卯月の姿は、技術は身についても心が他のメンバーのようには前に進めずにいるように感じました。

裸足の少女となった卯月が武内Pに対して胸の内を明かすシーンはもどかしさも感じましたが、彼女がどうにかしようともがき苦しむ姿が強く感じ取れて、見ていて辛い場面でした。

そこからの武内Pの「あなただけの笑顔」、「あなたの笑顔がなければNGは、私達はここまで来られなかった」という卯月の笑顔に対しての言葉は、彼女の迷いを打ち消すまでにはいきませんでしたが、言葉足らずだった武内Pの成長をよく描いていると思います。

そして、卯月に選択を迫るシーンで不器用ながらも笑顔を作り、「あなたは一人ではありません。私達が、みんながいます」と言った場面では、「私」という言葉を使ってくれたことがとても印象深かったです。

過去の経験からアイドルと真正面から向き合うことを恐れていた武内Pが、CPを通してアイドルと共に成長し、卯月の道を照らす存在となれたのだと思います。

卯月の階段を登り切り、涙を流しながらも「キラキラ出来るって信じたい」と言う場面は、何か答えを見つけたわけではない状態でも先に進みたいという彼女の強い決意を感じました。

制服のままステージに上ることや、星を一つポケットに入れるシーンからは、ゲーム内のノーマル卯月を髣髴とさせ、魔法がかかっていない少女として先に進むことも表しているのだと思いました。

そして、最後の仲間からの声援に後押しされ、「島村卯月、頑張ります!」と言ったシーンからの「S(mile)ING!」は思わずうるっと来てしまいました。

これまで、「頑張ります」という言葉でどこか自分をごまかしてきた卯月ですが、ここでの「頑張ります」は周りだけでなく、自分自身と真正面から向き合った上での決意を表したのだと思います。

「S(mile)ING!」の歌詞そのものが卯月の成長を描いたものであり、24話終わりの彼女だからこそ力強く歌えたのだと思います。

次回は総集編であり、最終話前にこれまでの話を振り返ることが出来ます。

24話同様に最終話が1週お預けになってしまいましたが、デレアニはアニマス以上に一話一話の繋がりが濃厚であり、何回見直しても見落としてしまうほど細かな描写があります。

そのため、最終話を最高の形で楽しむためにも、この総集編は重要になるのではないかと思います。

公式HPも12時過ぎの魔法を見つけた笑顔の卯月となり、CPそれぞれの冬フェスへ向けてのメッセージも見られます。

これだけ力を入れてくれるだけでも感無量ですが、最高の感動は最終話で見せてくれるものと期待して来週を待ちたいです!